2012年 04月 22日
心軽やかに出かけたくなる爽やかな季節に、九州国立博物館では平山郁夫の展覧会が開催されています。 煙るような砂色と藍色の作品は多くの人が記憶にあります。 平山郁夫は有名な日本画家である以上に文化遺産の保護に生涯をかけた功績は偉大です。 作品の関連講演会は複数あり、今回は「平山郁夫の足跡をたずねて」のテーマで①法隆寺金堂壁画と文化財保護及び②アンコール・ワット蘇った大伽藍を拝聴しました。 講演者は若い女性で、これからの研究成果が愉しみです。 1949年1月26日に焼損した金堂の壁画を再現する14人の画家の一人として参加した平山郁夫の観音菩薩立像(1967)は傑作です。因みにこの火災を記して文化財保護法ができました。 金堂を訪れた際には中には入れず、回廊に寫眞があったように記憶します。 再現にあたり、原寸大の寫眞の存在が大きな手がかりとなったようです。それでも模写は画家の個性を決して出さぬよう困難な仕事であったようです。 アンコール・ワットは数年前に訪れましたが、巨大な寺院は熱帯の樹々に根を張られて、壁柱は破壊されつつありましたが、上智大学の池澤教授が陣頭指揮で保存修理をしている姿を眼にしました。 平山郁夫は1991年にアンコール遺跡救済委員会を発足して、世界に現状を紹介し、現在は数国が遺産救済に参加しています。 今回の展覧会は絵画・石彫・染織・解説が上手に組み合わせられ、また映写で確認でき満足しました。 会場の設定は難しく、興味をひき、疲れないようにとすることは重要です。 次回の若冲も愉しみです。
by akikohervy
| 2012-04-22 14:58
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